set_error_handler
    (PHP 4 >= 4.0.1, PHP 5)
set_error_handler -- 
   ユーザ定義のエラーハンドラ関数を設定する
  
説明
mixed 
set_error_handler ( callback error_handler [, int error_types] )
   スクリプトのエラー処理を行うユーザ関数
   (error_handler)を設定します。
  
   この関数は、実行時のエラー処理をユーザが定義するために使用します。
   例えば、致命的なエラーの際にデータやファイルを消去する必要があるような
   アプリケーションや、ある条件のもとに
   (trigger_error()を使用して)エラーを発生する必要がある
   アプリケーションがこの場合にあたります。
  
   PHP の標準のエラーハンドラは完全にバイパスされることに注意してください。
   error_reporting() の設定にかかわらず、どのような場合でも
   ユーザが設定したエラーハンドラがコールされます。ただし、この場合でも
   ハンドラで error_reporting() のカレントの値を読み、
   それにあわせて適切に動作させることは可能です。エラーを発生した命令の前に
   @ エラー制御演算子
    が付加されている場合、この値は 0 となることには注意しましょう。
  
   ユーザハンドラ関数は、必要に応じて die() を
   コールする責任があることにも注意しましょう。エラーハンドラ関数が
   リターンした場合、スクリプトの実行は、エラーを発生した命令の次の命令に
   継続されます。
  
   以下のエラータイプは、ユーザ定義の関数では扱えません。
   E_ERROR, E_PARSE,
   E_CORE_ERROR, E_CORE_WARNING,
   E_COMPILE_ERROR,
   E_COMPILE_WARNING および
   set_error_handler() がコールされたファイルで発生した
   大半の E_STRICT 。
  
   (ファイルアップロードのように)スクリプトが実行される前にエラーが
   発生した場合、カスタムエラーハンドラはコールされません。
   これは、その時点では登録されていないためです。
  
パラメータ
   
- error_handler
 
       ユーザ関数は、エラーコードとエラーを記述する文字列の 2 つの引数を
       受け取る必要があります。さらにオプションのパラメータとして 3 つの引数が
       追加されています。これらは、エラーが発生したファイル名、エラーが
       発生した行、発生したエラーのコンテキスト(エラーが発生した場所での
       アクティブなシンボルテーブルを指す配列)です。関数は以下のようになります。
      
       handler ( int errno, string errstr [, string errfile [, int errline [, array errcontext]]] )
       
- errno
 
           最初のパラメータ errno は、発生させる
           エラーのレベルを整数で格納します。
          
- errstr
 
           2 番目のパラメータ errstr は、
           エラーメッセージを文字列で格納します。
          
- errfile
 
           3 番目のパラメータ errfile はオプションで、
           エラーが発生したファイルの名前を文字列で格納します。
          
- errline
 
           4 番目のパラメータ errline はオプションで、
           エラーが発生した行番号を整数で格納します。
          
- errcontext
 
           5 番目のパラメータ errcontext はオプションで、
           エラーが発生した場所のアクティブシンボルテーブルを指す配列です。
           つまり、エラーが発生したスコープ内でのすべての変数の内容を格納した
           配列が errcontext だということです。
           ユーザエラーハンドラは、決してエラーコンテキストを書き換えては
           いけません。
          
 
      - error_types
 
       設定パラメータ
       error_reporting
       で表示するエラーを制御するのと全く同様に、
       error_handler の起動を制御する際に
       使用可能です。
       このマスクを指定しない場合、
       error_handler は
       error_reporting の設定によらず
       全てのエラーに関してコールされます。
      
 
  返り値
   前に定義されたエラーハンドラ(ある場合)を含む文字列、または
   エラーの場合には NULL を返します。
   前に定義されたハンドラがクラスメソッドの場合、この関数は、
   クラスとメソッド名からなる添字配列を返します。
  
例
   
例 1. 
     set_error_handler() および
     trigger_error() によるエラー処理
     
     以下の例では、エラーを発生させることによる内部例外の処理や
     それらをユーザ定義関数で処理する方法を説明します。
     
<?php // このスクリプトのエラー出力レベルを設定 error_reporting(E_USER_ERROR | E_USER_WARNING | E_USER_NOTICE);
  // エラーハンドラ関数 function myErrorHandler($errno, $errstr, $errfile, $errline) {   switch ($errno) {   case E_USER_ERROR:     echo "<b>My ERROR</b> [$errno] $errstr<br />\n";     echo "  Fatal error in line $errline of file $errfile";     echo ", PHP " . PHP_VERSION . " (" . PHP_OS . ")<br />\n";     echo "Aborting...<br />\n";     exit(1);     break;   case E_USER_WARNING:     echo "<b>My WARNING</b> [$errno] $errstr<br />\n";     break;   case E_USER_NOTICE:     echo "<b>My NOTICE</b> [$errno] $errstr<br />\n";     break;   default:     echo "Unknown error type: [$errno] $errstr<br />\n";     break;   } }
  // エラー処理のテスト用関数 function scale_by_log($vect, $scale) {   if (!is_numeric($scale) || $scale <= 0) {     trigger_error("log(x) for x <= 0 is undefined, you used: scale = $scale", E_USER_ERROR);   }
    if (!is_array($vect)) {     trigger_error("Incorrect input vector, array of values expected", E_USER_WARNING);     return null;   }
    for ($i=0; $i<count($vect); $i++) {     if (!is_numeric($vect[$i]))       trigger_error("Value at position $i is not a number, using 0 (zero)", E_USER_NOTICE);       $temp[$i] = log($scale) * $vect[$i];     }     return $temp;   }
  // 定義したエラーハンドラを設定する $old_error_handler = set_error_handler("myErrorHandler");
  // エラーを発生します。まず、数値でない項目が混ざった配列を定義します。 echo "vector a\n"; $a = array(2,3, "foo", 5.5, 43.3, 21.11); print_r($a);
  // 次に警告を発生するような 2 番目の配列を生成します。 echo "----\nvector b - a warning (b = log(PI) * a)\n"; $b = scale_by_log($a, M_PI); print_r($b);
  // 配列の代わりに文字列を渡しており、問題を発生します。 echo "----\nvector c - an error\n"; $c = scale_by_log("not array", 2.3); var_dump($c);
  // ゼロまたは負数の対数が定義されないという致命的なエラーを発生します。 echo "----\nvector d - fatal error\n"; $d = scale_by_log($a, -2.5);
  ?>
 |  
 上の例の出力は、たとえば
以下のようになります。 vector a
Array
(
    [0] => 2
    [1] => 3
    [2] => foo
    [3] => 5.5
    [4] => 43.3
    [5] => 21.11
)
----
vector b - a warning (b = log(PI) * a)
<b>My WARNING</b> [1024] Value at position 2 is not a number, using 0 (zero)<br />
Array
(
    [0] => 2.2894597716988
    [1] => 3.4341896575482
    [2] => 0
    [3] => 6.2960143721717
    [4] => 49.566804057279
    [5] => 24.165247890281
)
----
vector c - an error
<b>My ERROR</b> [512] Incorrect input vector, array of values expected<br />
NULL
----
vector d - fatal error
<b>My FATAL</b> [256] log(x) for x <= 0 is undefined, you used: scale = -2.5<br />
Fatal error in line 36 of file trigger_error.php, PHP 4.0.2 (Linux)<br />
Aborting...<br /> |  
  |